2023年度卒業生保護者様の声

「成長につながる負荷のかけ方」

この合格体験記は、次男の高校受験に際して、あまりにも右往左往した私の狼狽の記録です。
次男は中3の夏に部活を引退するまで、塾にも行かず自宅学習もほぼゼロ、提出物すらきちんと出していないという状況でした。
しかし私は、うるさく口出しせず、過干渉にならないように気をつけていました。きっと本人なりのペースで頑張るだろう、本人に任せよう、と思っていたのです。
ところが、部活の引退試合が終わった夏、本人の主張は「志望校の決め方がわからない。行けるとこに行ければそれでいい。勉強めんどくさい」というものでした。なんということでしょう。自分なりのペースで頑張ってるはず…と信じていたのですが、ただただ、怠けていただけ(そしてこれからも怠けるつもり)だったのです。本当にびっくりしました。
ここで私は急に焦り出しました。どうしよう。まさかこんなにもやる気がないなんて、しかもやる気を出すつもりもないなんて、予想していなかった。「やる気」って、どうやって出すんだっけ?
親がいくら小言を言っても、まったく響かないどころかどんどんヘソを曲げる始末。
あれこれ押し問答の末、最終的に私たち両親が彼に言ったのは、「わかった。じゃあ愛夢舎に行きなさい。愛夢舎に行きさえすればそれでいい。愛夢舎に行ったら、そのあと、勉強しなさいとかあれこれ口出ししないって約束する」ということでした。最後には高校生の長男(愛夢舎生)が「そうだぞ!愛夢舎に行っておけば勉強しなくてもマジで親が文句言わないぞ!」と太鼓判(?)を押してくれたので、次男はしぶしぶ、本当にしぶしぶ、愛夢舎の夏期講習に通うことになりました。
こんなにやる気のないしぶしぶな子を、無理やり愛夢舎に送り込んでしまっていいのか…と思わないでもなかったのですが、「あとは先生たちが何とかしてくれる!よろしくお願いします!」という気持ちでした。
ここで私たちにとって幸せだったことは、愛夢舎という塾が普通一般の学習塾とは違い、このような「丸投げ」を、完全に受け止めてくれる、全幅の信頼をおける場であったことでした。
それでも当初は、「ふつうの講習だけにする、それだってイヤイヤ行くんだから、合宿なんか行きたくない」と頑として言い張る次男に根負けして、「じゃあ…講習会だけにしようか…」と譲歩しかけたものです。
そこでも後押ししてくれたのは長男でした。「合宿は行っとけ!人生変わるから!」と珍しく熱心に、何度も何度も説得してくれました。両親と兄の3人がかりの説得に根負けした形で、そして「勉強しろとうるさく言わない」ことを取引の材料にして、次男は、愛夢舎の夏期講習と合宿講習に参加することになりました。
そして、夏期講習と合宿講習を終えた次男は、別人のように生まれ変わって勉強するようになった…かというと残念ながらそんなことはなく、相変わらず家ではゲーム三昧、勉強する姿は見られませんでした。
しかし、振り返ってみれば、この夏の体験は明らかにターニングポイントでした。
いくら受験は本人のやる気次第、勉強するのは本人、とはいえ、それは「放っておいても自分でやれる子」の話なのだと思います。そうではない、やる気もモチベーションもない子には、「今だ!」というタイミングで、必要な強さの負荷を、適切な分量、しかも迷いなくかけてあげることが非常に大事なのではないか。そこを見逃してしまい、「本人のやる気に任せてるから」といって放っておくのは、信頼ではなく放置、親の側が向き合うことから逃げてしまっているのではないか。と、私は、自分の前半の関わり方も振り返ってみて思うのです。
そして、その負荷を、どのタイミングで、どのくらいの強さでかけるのか、その子にとってどうすれば最も効果的なのかということを見極められるのは、やはり、愛夢舎のような信念のある塾なのです。
親には…、特に母親には、そこの加減が本当に難しい。それができないからこそ親なのだとも思うのです。
時には、やりすぎてしまう。
私は、本人が高い目標を設定し、そこに向かって努力し、研鑽し、結果をつかみ取り、達成感を味わう!ということを、経験させてあげたい、という気持ちを手放すのにずいぶん難儀しました。そういう我が子の姿を見たい、それを応援したい、たとえ夢破れたのだとしてもその過程を必死に駆け抜けることに意義がある!という気持ちがふつふつと沸き上がってくるのです。
それは、本人の今後の人生には本質的に無関係な私のエゴなのですが、それを「この子の将来のために!」みたいに思い込んで加速してしまう瞬間が、どうしても親にはあるように思います。
また、時には、その反省から、手放し過ぎてしまう。「自分の進路なんだから自分のやりたいように」、という言葉を錦の御旗と掲げ、適切に導いてあげられなくなってしまう。
そういうとき、確かな実績と膨大なデータを持ち、何より教育者として信頼できる佐々木塾長率いる「愛夢舎」が全面的にバックアップしてくれることは、親の焦りを最小限に抑えてくれました。
私のイチオシは、受験直前の5回連続の模擬試験です。2月の県立高校受験直前に、5回にわたって、本番さながらの5教科模試を実施してくれます。ここで受験生は、試験の勘のようなものを体得し、試験問題に慣れ、時間配分を身体で覚え、本番当日も緊張しすぎることなく「いつもの感じ」で問題を解くことができるのです。私の聞く限り、近隣の塾で、本番直前にそんな負荷を課しているところはありませんでした。ここを体験させたくて、愛夢舎に通わせたと言ってもいいほど、私はこのラストスパート、追い上げ方が唯一無二だと思っています。
そして、この「追い上げ」という大きな負荷をかけられることによって、子どもたちは、全力を出すということや、そこに向かっていく意味、最善を目指す意義、努力する価値を知ります。そしてシビアに結果が出ること、それを真正面からしっかり受け止めること、という貴重な体感を得るのです。それこそが高校受験の本質だと思います。
次男は遅くに火がつくタイプだったようで、まさにこの5回模試のあたりから急に取り組み方が変わり、自宅でも勉強するようになりました。私は、「だったらもっと早くからやっていたら良かったのに!」と不安と後悔が大爆発してしまい、「確実に合格できる高校に志望校を変更してはどうか?」としきりに誘導してしまいました。恥ずかしながら、この時期、私が一番ジタバタしていました。
しかし、本人が「俺は挑戦したい」と言い、最後まで譲らず、そして幸運なことに合格することができました。
合格できたことも、もちろん本当に嬉しかったのですが、一番感動したのは、半年前には「頑張りたくない、行けるとこに行くからいい」と言っていた子の変貌でした。
結果の如何にかかわらずこう言えるようになったこと、それこそが達成であり成果であり、親として我が子に本当に体験させたいことだったのだと、今は思います。
貴重な体験をさせていただき、親子ともに、本当に感謝しています。ありがとうございました。